会社のミライ – ひだまりにゅーす 会社のミライ - ひだまりにゅーす

会社のミライ

会社のミライ

算盤よりも論語

社長:
うちの会社は、まず道徳を大事にしています。算盤はその後。
会社として大事にしているのは、
①嘘をつかないこと
②正しいことをすること
③人を大切にすること。

常務:
綺麗事として、そう言っている会社はたくさんあると思うけど、
うちは本気でそう信じてやっています。

社長:
売上・勝利よりも、大事なのは成長。
成長の先に、それらがあると考えています。

ひだまりほーむは、鷲見製材という会社があって、
その中の新規事業としてスタートしました。
会長には、ほんとに好き勝手やらしてもらって感謝しています。
私で4代目ですが、この会社は代々社長が、
新規創業的にあたらしい事業に取り組んできた歴史があります。
その中でも、やっぱり道徳を大事にしてきた。
そうした社風の中、会長に守られていたおかげで、
売上を追わずに、道徳を追うことをしっかりやれた。
その時間があったから、その後きちんと売上がついてきて、
今もそれが続いている。

それが私たちのルーツであり姿勢。

結局、住宅という事業は、他人の人生に寄り添う事業。
それは、お施主さまと生涯をともにする覚悟がなければ売ってはいけないモノ。
責任の取り方が、時間軸ではないんです。
だから、何年経ったとしても、保証期間が過ぎたとしても
こちらに非があれば、私たちの責任において、直さないといけない。
そうした覚悟を持つということが、住宅という事業を手がける責任です。

常務:
お客さまも似たような思考を持っている方が多いです。
お客様に育てられている。
私たちの姿勢は、野球で言えば、ストレートの一本勝負。

社長:
私たちは、本気で世の中をよくしたいと思っている。
そのためには、社会の最小構成単位である家族の感性を高める必要があります。
例えば、弊社で企画しているオーガニックマルシェ“暮らしの陽だまり市”
出店者の方達は、みんな本当にいいもの提供している方達。
そんなものづくりに触れ、やっぱりお客様の価値観が変わっていく。
ほんものに触れ、正しさを知り、それを実践する人たちが増えれば、
間違いなく街は良くなる。なぜなら、価値基準がほんものになるから。
ほんものを創っている人たちが、ささやかな幸せを享受できる世の中になるように
私たちは関わり続けたいと思っています。

社長:
うちの社員は、めんどくさいやつばっかりなんですよ。
いちいち、考えて、正しさが腑に落ちないと動かない。
腑に落ちるまで自分で徹底的に考える。
これは世の中のためにになるんだろうか。
正しいことなんだろうか。正論を地でいく会社です。
でも時にそれは、とても厳しい。社員にとっては凶器にもなる。
正しいことしかやってはいけないから、ついていけない社員も出てくる。
何か問題が起きた時、突きつめればそれは全て自分の責任。
そう思えるかどうかは、とても大事。
やっぱりみんな自分がかわいいから、ついつい他責にしたがる。
「おれがわるいんじゃねえ」って。
でも本当にそうなのか?と、自分を問うわけですよ。
それを認める時、辛い。
自分と向き合って、自分の足りなさを自覚した時、とても辛い。
でもその瞬間に、人としての大きな成長がある。

何年か前に、ある住宅の基礎をめぐってトラブルがあったんです。
図面と仕様が少しだけ違う。
専門的なことはお客様はわからない、そういうスタンスにたてば、ごまかせるレベル。
重大案件として幹部会議で議題にあがりました。
そしたら幹部、全員一致で「そんなもの壊せ。やり直し」ですよ。
これは私も試されました。もちろん費用は莫大です。お客さまの信頼も裏切ることになる。
それでも即答でした。嬉しいと同時にぞっとしました。
「壊すな」って言わなくて良かったと 笑
言ってたら、私は終わりでしたね。
一番偉いのは社長じゃなく、価値観なんです。そういう会社なんです。
それが、住宅という事業をやる、責任、ということなんだと思います。
いや、これは、お客様が一番辛かったと思います。
僕らどころじゃない。二度とあってはいけないと思う。
でもなってしまった時に、どういう行動をとるかは、とても大事なことです。

会社の目標は、“人を育てること。”

社長:
うちの会社は、研修が多いんですよ。
この規模の会社では、ありえなくらい会社で払ってる研修費が高い。笑
でもお金よりも人が大事。優先順位が違うんです。
人を育てるためには、必要なことです。
私たちは人が育つのが嬉しい。
成長してきているなと、ひしひしとそれを感じることが嬉しい。
経営理念は、「人づくり」と「幸せづくり」。
本物の住宅をつくる、ということを通じて、
「人づくり」と「幸せづくり」をしていく、
それが会社の想いです。
そうやって「人間大事の経営」を行なっていくのが、弊社の理念です。

常務:
仕事の上での厳しさはある会社ですが、そのかわり、社員のことはすごく考えています。
大きな家族のようにありたいと思っています。

うちの会社は、人に合わせて、制度ができる。
働き方、生き方はひとそれぞれで、ライフステージによって、働き方もかわっていきます。
だから、ある人のライフステージが変わって、働くことに課題がでるとき、制度が生まれます。

この間、別居婚をする社員がいた、これはいままでにないパターン。どうしようかと。
じゃあ、家賃補助を出そうかと。2拠点になるわけだから。

苦労している人をみると、なんとかしなきゃって思う。
うちの考え方に、「後ろ工程はお客様」っていう考え方がある。
社員であろうとも、後ろの工程の人はお客様だから、
社員はみんなお客様。
だから、なんとかしないと。

そうして人をみて制度をつくることが、
成長とか、働きやすさとかに繋がって、会社の力になる。
そして本気で社員の成長を願ってやることが大事で
うちはそうして、人に投資してきたから今があると思っています。

社員が忙しければ、変わりにワクチンの予約もしてあげるし、
社員が社用車で事故して落ち込んでいたら、
会社のお金でみんなで焼肉を食べにいく。
それがうちにとっては“正しい“ことです。

「人間大事の経営」が生まれたわけ。

社長:
なぜそうなったかというと、苦い過去もあったんです。

今でこそ、うちはとても自由度が高い。
今日する仕事は、それぞれが自分で決める。
社員に与えられている仕事に対する裁量がとても高い。
ところが、昔は今とは正反対の会社でした。
会社の全てを自分がコントロールしなければと思った時代もあり、
指導がいきすぎた。結果、右腕社員と、左腕社員が辞めるという。
ついていけんと。

常務:
私も当時は、それが正しいと思っていました。
応援していましたし。

社長:
これは参った。今までが間違っていたと思い知らされた。
どうしたいいか迷ったし、悩んだ。
そのとき通っていた経営塾で、
経営理念の実現した姿ってなんだろう。
経営理念をなんで作るか考えろっていう問いがあって。
考えに考え、考え抜いた先に出た答えが、

「人づくり」「幸せづくり」「人間大事の経営」だったんです。

「人間大事」か、「人間大切」か、迷ったんですけど、
人間の存在を軽く扱いたくない。「大事(ダイジ・オオゴト)」として人を捉える。
人間というものの存在を大きく捉えたいと思ったので、「人間大事」になりました。
そうして、いまの形が生まれました。
とにかく根っこを揃えるのが大事で、行動は委ねると。

おかげさまで、辞めるといった当時の二人は、今も会社にいます。

会社のミライに想うこと。

社長:
社長を10人育てたいと思っています。

国産の木材をもっともっとたくさん使わないと、山が荒れる。その影響で海も荒れる。
国産材をもっともっと使う環境にかえていかないといけない。
住宅産業という一つの視点でみたときに、その余地はまだまだあると思っています。
それは、住宅だけじゃなくて、その周辺の事業。
ソフト・ハードも含めて、そうした様々な手段を講じて、
“本物“に触れる機会と、国産材の活用局面を増やしていかないと、
国や人心や、国土までが荒れてしまう。

日本における木材周辺に関わる技術や文化は、世界に類をみないもの。
これはちゃんと繋げて、続けていかかねればならない。

そのためにも、もっともっと世界を広げていかないといけない。
だから10人の社長。

それを、僕らがやりたい10社じゃなくて、社員がやりたいことで実現させていきたい。
社内から、これがやりたい!って声があがる。そうした状況や、受け皿をつくっていきたい。
それが人間大事の経営だと思っています。

母親が要介護になったなら、
介護を事業化して、そばにいればいいじゃん。
そう思います。

自分が社会に必要だと思うことが見つかったら、
やればいいじゃん、って本気で思っています。

ただ、勘違いして欲しくないのは、やたら事業を大きくしたいわけではない。
事業の適正な規模感というものがあって、
それを超えてしまうと本当に大事なことはできなかったりします。
本質を曲げないと、できなくなってしまう。それは本末転倒。

なぜならば、私たちは、事業をやることが目的ではなくて、
「人づくり」「幸せづくり」人間大事の経営をすることが目的だから。
その考え方を世界に広げ、地域の好循環を広がっていく。
そして地域が良くなる。

国産材、ほんものに触れる機会を入り口にしながら、
人が育ち、幸せが生まれ、地域がよくなる。
そのストーリーを実践することが、うちのやりたいことです。
どこまでいっても、世直し。人づくりと幸せづくりなんですよ。
だから、そんな仲間をもっと増やしていきたいですね。

成長させる自信はある。
ぜひ一緒に、やりましょう。